Round8

MOTEGI11/10(土) - 11(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)

2018 Super GTシリーズ Round8 ツインリンクもてぎ「MOTEGI GT250km Race GRAND FINAL」
65 LEON CVSTOS AMG 黒澤治樹 蒲生尚弥
11月10日 公式予選2位 / GT300クラス出走29台
11月11日 決勝レース優勝 / 49周

GT300クラス唯一全戦でポイントゲット。悲願のタイトルへ向けて狙うは「優勝」のみ

 2018 Super GT シリーズもいよいよ最終第8戦を迎えることとなった。LEON CVSTOS AMGの黒澤治樹選手、蒲生尚弥選手はここまで全戦でポイントを獲得し、ARTA BMW M6 GT3高木真一/S・ウォーキンショー組に12ポイント差のシリーズランキング2位で決戦の地、美しい紅葉に囲まれたツインリンクもてぎに乗り込んだ。
 今シーズンは取りこぼしのない、確実にポイントを獲得することを目標に戦ってきた。それは昨年2勝を挙げながら2度のノーポイントレースが響き、ランキング2位に終わったためだ。その反省のもとに今シーズンはGT300クラスで唯一、ここまで全戦でポイントを獲得したチームとなった。これは強いチームの証しでもあり、大いに評価できるものだ。
しかし最高位は4位。表彰台はなかった。「確実にポイントを獲る」の強い思いが、逆に守りの戦いをしてしまったのではないか。その思いは誰もが抱いていた。しかし、いつしかその気持ちは消え失せ「勝つのみ」に変わった。たとえ優勝しても、ARTA BMWが4位に入れば自力でタイトル獲得されてしまうという状況のなかで……。
 いずれにせよチャンスは優勝するしかない。失うものはないのだ。そして確かな手ごたえを全スタッフが共有している。ここツインリンクもてぎは昨年、予選3位から見事なレース運びを見せ、残り2周となったところでトップを走るARTA BMW M6を抜き去って優勝を飾ったコースなのだ。

黒澤選手の的確なアドバイスが蒲生選手のスーパーアタックを演出し、予選2番手を獲得

 規定で最終戦はウエイトハンデが撤廃される。Mercedes-AMG GT3の持つ本来のポテンシャルで戦える。それはコーナリング性能に優れる特性を生かせるということ。直線と直線をタイトなコーナーで結んだツインリングもてぎのコース特性はマシンに合っているのだ。あとはアクセルを目いっぱい踏み込むだけ――、強い決意とともに臨んだ公式予選。まずは黒澤選手がゆっくり慎重にタイヤを温め、本来のグリップ力を発揮できることを確認してタイムアタック。14位までが第2予選に進めるなか11番手のタイムを記録してバトンを繋ぐと、蒲生選手が気迫のアタックを見せて2番グリッドをもぎ取った。
 この日午前中に行われた練習走行で6番手。さらにセッティングを調整してQ1に臨んだ黒澤選手は冷静に状況をチェックしながらのアタック。Q2に向け黒澤選手のアドバイスでセッティングを微調整。蒲生選手にもマシン、タイヤ、コースの状況を伝え、これが活かされた結果だった。「朝の走行からセッティングを変更して臨んだが、まだ足りなかったので、どうしたら良いかを考えた」と黒澤選手。「(黒澤選手から)アドバイスをもらいラストアタックをうまくまとめられた」と笑顔を見せる蒲生選手。地道に取り組んできた「強いチーム作り」が結実した予選だった。
 この予選でランクトップのARTA BMW M6 GT3は10番手、ランク3位のプリウスGT(嵯峨宏紀/平手晃平組)は8番手に沈んだものの、同じMercedes-AMG GT3の0号車、ランキング4位の谷口信輝/片岡龍也組が3番手につけており、要注意だ。

タイヤ無交換作戦が成功!今シーズン初優勝と悲願のシリーズチャンピオン獲得

 迎えた決勝レースは快晴の下、まず黒澤選手が乗り込んでスタートしたが1周目に0号車、さらに2台に抜かれ一気に5位に後退してしまう。だがこれはチームの作戦のためだった。
 タイヤ無交換でピットインのロスタイムを極限まで削り、それを活かしてトップに出る。だがその成否はドライバーの手腕にかかっている。黒澤選手は「とにかくタイヤを消耗させないように気をつけて走った」と振り返る。チームはGT300クラスで一番早い19周目に黒澤選手をピットに呼び寄せ、ガソリン補給のみで蒲生選手を送り出した。そしてこの作戦が見事に成功する。
 翌周、トップに立っていた0号車がピットインしたが左側2本のタイヤ交換で後退。レース後半に入って31号車、55号車がピットイン。LEON CVSTOS AMGと同じタイヤ無交換作戦に出たが、時すでに遅し。前方に邪魔なマシンがいない状況で蒲生選手は一気にペースアップし、充分なマージンを築いていたのだ。

 全車がピットインを終えた時点で蒲生選手はトップに立ったばかりか、2位31号車に6秒近い差をつけていた。蒲生選手は「最後は31号車が追い上げてきたが、ギャップは十分にあったので気にならなかった」と、そのままフィニッシュ。今シーズン初優勝は昨年の最終戦以来1年ぶりの通算4勝目。さらにはランクトップだった55号車が9位に終わったため、55号車のトータル62ポイントに対しLEON CVSTOS AMGは20ポイントを加えトータル68ポイント。チーム創立6年で悲願のチャンピオン獲得となった。
 蒲生選手のゴールを見届けた黒澤選手は監督、スタッフと抱き合い大粒の涙を流した。シーズン初の表彰台が初めてのタイトル獲得となる優勝。しかもそれが最終戦の大逆転。カッコよすぎるフィナーレだ。だがそれも積み上げてきたチーム全員の努力があったからこそ。すべてのスタッフが喜びに浸り、闇に包まれたツインリンクもてぎを最後に離れたチームとなった。

DRIVER COMMENT

黒澤治樹「とにかくタイヤを使わないよう、接触などにも気を付けて走ったが、蒲生選手がいい走りをしてくれたのであとは心配なかった。オーナーとチームを立ち上げて、チーム作りをしながら足かけ6年でタイトルを獲ることができた。つらい時もあったがオーナーが背中を押してくれ、メカニックが徹夜してクルマを作ってくれ、監督をはじめみんなが支えてくれた。蒲生選手が来てからは彼の速さを生かそうとやってきた。ゴールした時は、これまでのことが走馬灯のようによみがえって感無量だった。とにかく人に恵まれてここまで来たと思う。すべての人に感謝しています」

蒲生尚弥「タイヤ無交換は一度もやったことがなく不安もあったけど、チームが速いクルマを作ってくれ、タイヤも素晴らしく、最後はギャップもあったので追い上げられていることは気にならなかった。毎年最高の環境で走らせてくれるので、ドライブするのも楽しい。ウイニングランはほっとした気持ちでした。正直タイトルを獲ったとは知りませんでしたから(笑)。今夜は騒ぎたいと思います(笑)」

溝田唯司チーム監督「ブリジストンタイヤ、ワコーズ、チームスタッフ、65号車に関わってきたすべての人に感謝しています。このチームはすごくやりやすく、純粋にレースができるチーム。タイトルは当然の結果と思います(笑)。最後の数周はドキドキしていましたが、横で(黒澤選手が)泣いていたので、思わす一緒にね(笑)」

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