REPORT

ROUND3

AUTOPOLIS 2017 / 05 / 20 - 21

2017 Super GTシリーズ Round3 オートポリス「SUPER GT IN KYUSHU 300km」
65 LEON×CVSTOS AMG-GT 黒澤治樹 蒲生尚弥
5月20日 公式予選  8位 / GT300クラス出走30台
5月21日 決勝レース 10位 / 60周
2年ぶり開催の九州・オートポリスはマシンに厳しく真に強いチームが判明するテクニカルコース

 2017年シリーズ第3戦の舞台は大分県のオートポリス。熊本県との県境近く、雄大な阿蘇山の外輪山に位置する自然豊かなサーキットだ。

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 しかしこのコースは、昨年4月に発生した熊本地震によって大きな被害を受け中止となってしまい、2年ぶりの開催。4月中旬に事前テストは実施されたものの気温、路面温度とも低く、今回とは大きく条件が違っており、短い時間でどこまでコース、路面状況に合わせたマシンに仕上げることができるか、タイヤを準備できるか、ドライバーはもちろんエンジニア、メカニックを含めたチーム力が試される1戦となった。

決勝を見据えたタイヤを選択した予選。決勝は追い上げが期待される展開に

 土曜日に行われた予選は、遠くの山並みもくっきりと望める快晴の下に行われ、まずは蒲生尚弥選手がQ1に出走。 この時点で気温は26度、強い日差しを受けた路面は41度にも達し、まさにテスト時と大きく違う状況のなか、蒲生選手はアタックラップに。 しかしここでペースダウンしているマシンに一瞬、前方を塞がれ1分45秒337で7番手。今年からQ1上位14台がQ2に進出できるため、難なく黒澤治樹選手にバトンを繋ぐことはできたが「クリアラップが取れず完璧なアタックじゃなかった。 クリアならもう少しタイムは良かった」と、蒲生選手は悔しさをにじませる。こうなれば黒澤治樹選手の気迫のアタックに期待だ。しかしQ2の黒澤選手は1分45秒127。蒲生選手のタイムを上回ったものの結果は8番手。 予選前に行われた練習走行で蒲生選手が3番手となる1分45秒071を記録していたのを考えれば物足りない結果となったが、実は決勝を見据えたタイヤを選択したためだった。「決勝に向けたタイヤだった。 それでこの結果ならまずまず。やれることはすべてやった。決勝はライバル車に比べ有利だと思う」黒澤選手はそう明かした。オートポリスはきついアップダウンに加え低速コーナーが連続。 タイヤを酷使するコースだ。加えて44㎏のハウェイトハンデもタイヤへの大きな負担となる。チームはタイムの出る、いわゆるソフトタイヤを捨て、ライフの長いハードコンパウンドのタイヤを選んだ。決勝レースは予選で使用したタイヤでスタートしなければならないからだ。

逆風の中の決勝レース。一時は大きく後退したものの終盤挽回して貴重な1ポイント獲得

 迎えた決勝は引き続き好天に恵まれたものの、予想に反して気温22度、路面温度31度でスタートを迎えることとなった。 スタートを担った黒澤治樹選手は好ダッシュでクラス7位に浮上したものの、その後は一進一退の苦しい展開。状況を打破するためにチームは早目のピットインを決断。 同じコンパウンドながらフレッシュなタイヤで追い上げる作戦を選び、蒲生尚弥選手に交替。その追い上げに期待がかかったが、またも不運が待ち構えていた。 蒲生選手はGT300クラスのトップ集団、しかもそこにGT500クラスが絡む混乱の中に巻き込まれてしまった。行き場をなくして思うような走りができない状況や、予定より長い周回を走ることとなったにもかかわらずマシンもタイヤも最後までパフォーマンスを発揮。 蒲生選手は徐々にポジションを上げてクラス10位でフィニッシュ。貴重な1ポイント(10位までに与えられる)を獲得した。
 思い起こせば昨年、開幕戦で見事優勝を飾りながら、その後の3戦でノーポイント。これがタイトル争いから脱落した要因でもあった。 しかし今シーズンは開幕戦2位の後第2戦5位、そして10位と確実にポイントゲット。これこそがチャンピオンチームに求められる強さでもある。 さらなる飛躍を胸にチームは次戦に臨むこととなった。

DRIVER COMMENT

黒澤治樹 「スタートは良かった。もっとポジションを上げたかったがうまくいかなかった。状況を見て早目にピットインしたが、尚弥が悪い場所に入って大きくロスしてしまった。ぎりぎりポイントは獲れたが、もっと確実にポイントを獲れるようにしないとね。今回は悪い流れのなかで最低限のことはできた。次のSUGOはいい戦いができると思います」

蒲生尚弥 「タイヤを4本換えてコースインしたがタイミングが悪く、300クラスのトップ集団、それも500クラスマシンが絡むなかに入ってしまい2、3周のあいだペースが悪かった。でもその後はトップと同じタムで走ることができたのでもったいなかったが、タイヤに関してもデータが増えたので、今後パフォーマンスを上げて行きたいですね」

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