CVSTOS JAPAN

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2016 Super GTシリーズ Round4 スポーツランドSUGO・SUGO GT300kmRACE
65 LEON-CVSTOS AMG-GT 黒澤治樹 蒲生尚弥
7月23日 公式予選 20位/出走28台
7月24日 決勝レース16位/81周
高低差70m、きついアップダウンがウェイトハンディの重いマシンを苦しめるスポーツランドSUGO。逆境の中LEON CVSTOS AMG- GTが難コースに挑んだ!

 5月に大分県のオートポリスで開催予定だったスーパーGT第3戦が熊本地震の影響で中止となり、第4戦が今年の実質、第3戦として開催されることになった。その舞台・スポーツランドSUGOは仙台市の南に位置し、遠くに雄大な蔵王連峰を望む緑豊かな杜のサーキット。だがそのゆったりとしたたたずまいとは大きく違い、“魔物が棲む”と言われるほど毎年、荒れたレースが展開される。それは、きついアップダウンがあるうえに狭いというテクニカルコースゆえにアクシデント、トラブルが多発するからだ。特にウェイトハンディが大きく影響するコースとしても知られている。こうなるとGT300クラスで現在ランキング2位、40㎏ものウェイトを負うLEON CVSTOS AMG‐GTには戦前から厳しいレースとなることが予想された。さらに第2戦からBOP(バランス・オブ・パワー=性能調整)により、開幕戦の優勝でMercedes-Benz AMG車両はプラス15㎏の最低重量となっており、このため実は開幕戦に比べ55㎏も重い状態で難コースに挑まなければならず、過酷な条件なのは誰の目にも明らかだった。だがここで好成績を残せば、それは強さの証明となりタイトルにも結びつく。逆境の中で上位進出を胸に黒澤治樹選手、蒲生尚弥選手はSUGOに乗り込んできた。

重いウェイトハンディの影響……。予選Q1敗退。20番手から決勝スタートの不覚

 実はSUGOでは第2戦終了後の6月18日、19日の両日、公式テストが開催されている。第4戦を見据えてのテストだが、ここでLEON CVSTOS AMG‐GTは総合10位の結果だった。これはハンディを考えれば好結果と言えよう。まずはそのテスト時を上回るポジションを見据えて公式予選に臨むこととなったが、その前に行われた公式練習走行でなんとLEON CVSTOS AMG‐GTは蒲生尚弥が4番手に食い込む好走。こうなると俄然予選アタックに期待がかかる。

 だが結果は黒澤選手がQ1で20位。上位14台によるQ2進出はならなかった。黒澤選手は「タイヤの温まりが遅く、タイムを出せなかった。でもこれが我々の現状のタイム。練習走行はウェイトハンディの軽いマシンが実力を出していなかっただけ」と分析。やはり開幕戦優勝によって課せられた40㎏のハンディの影響は大きいようだ。それは第2戦で優勝しポイントランクトップ、42㎏のハンディを搭載して予選に臨んだB-MAX GT-Rの星野一樹選手組が21位でQ1敗退したことでも証明された。「諦めないで少しでも多くポイントを獲りたい」と言う黒澤選手。そして蒲生選手の決勝での粘りの走りに期待することになった。
 そんななか、明るいニュースも。公式予選が終わり、夕方から行われた恒例のキッズウオークでサプライズが。黒澤選手が今回でスーパーGT参戦100戦目を迎えることから、チームがお祝いのメッセージを書いたサインボードとケーキを用意。一足早くグレーテッドドライバーとなった黒澤選手をお祝いした。各関係者から祝辞をもらった黒澤選手の目には光るものが……!

スタート直後に待ちかまえていたまさかの事態。押し出される形で大きく後退し……

 約3万人もの観衆が訪れた決勝日朝に行われた30分間のフリー走行は、小雨が降るウェットコンディション。ここでLEON CVSTOS AMG‐GTは10番手タイムを記録。各車、最大限のパワーを発揮できないコンディションでは40㎏のウェイトハンディの影響も少なくなる。決勝も同様のコンディションなら一気の追い上げも期待できる。が、スタート時には霧雨は降っていたものの、コースはほぼ乾いており気温約23度、路面温度約25度というコンディションのなか、全車が晴天用のスリックタイヤでスタート。黒澤選手が乗り込んだLEON CVSTOS AMG‐GTはここでのジャンプアップを狙っていたのだが、大きな落とし穴が待っていた。「前のクルマが予想以上に早くブレーキングした」と黒澤選手。追突を避けようとアウトにマシンを振ったため、第1コーナーをまさかのオーバーラン。黒澤選手はこれでクラス最後尾近くまで後退。その後、空からは時おり晴れ間ものぞくようになり、コースは完全にドライコンディションに。こうなるとウェイトハンディが重くのしかかる。それでも黒澤選手は追い上げ態勢に入りじわじわとポジションアップ。21周目には20位まで挽回し31周目にピットイン。蒲生尚弥選手にバトンを託した。
 蒲生選手も重い車体に我慢の走行を強いられ、混戦のなかで一進一退の展開。それでも途中11位まで順位をあげるも、微妙な判定のペナルティ等もあって万事休す。レースは5周を残してクラッシュ車両を排除するために赤旗中断。結局そのまま終了となったが、この時点でマシン、チームの力を見せつけるように蒲生選手は16位にポジションを上げていた。 不運もあってポイント獲得には至らなかったが、厳しい状況のなか、パフォーマンスの一端を見せることはできた。次戦はハンディウェイトの影響が少ないと言われる富士スピードウェイ。戦いの舞台は春の富士から“真夏の富士”に。開幕戦以来の優勝も狙えるはず――。チーム、ドライバーは勝利のみを胸に2週間後という短い準備期間で次戦を迎える。

ドライバーコメント
黒澤治樹「スタート直後に1台でも多く抜こうと思っていったが、前のクルマのブレーキングが早くて、それを避けたらコースのダスティな部分に行ってしまいオバーランしてしまった。SUGOは抜きどころが少ないため、厳しい戦いになってしまった。でもクルマの調子は悪くなかった。次の富士はやってみないとわからない部分も多いが、いい結果を残したいですね」